AI活用読了 約5分

AIでコードはほぼタダになった。では、質は落ちたのか? 30年エンジニアの答えは「めちゃくちゃ上がった」

AIのおかげで、仕事のいちばん面倒な部分、つまりコードを書く手間はほぼ0になりました。仕事がどう変わったかは、以前「コードを書かなくなったエンジニアは、次に何をするのか」に書きました。今回はその続きです。では、質はどうなったのか。

結論から言うと、質はめちゃくちゃ上がりました。

改善を「考える」から「すぐ試す」へ

僕は常に改善を考えています。20年間、製品をリリースしてから毎日「どうすればもっと良くなるか」を考え、やれる範囲で改善を加え続けてきました。使い続けてくださるクライアントさんがいたからこそ、続けてこられたことです。

今は、改善を思いついたらすぐに試せます。試してみて良くならなければ、やめることもできます。

思いつく、試す、残すかやめるかを決める。この繰り返しを回せるようになったことで、質を担保できるようにも、質を上げられるようにもなりました。

改善は「考える」から「すぐ試す」に変わった
改善は「考える」から「すぐ試す」に変わった

テストも、AIに「プログラムを作って」と頼む

その質を支えているのがテストで、テストもAIです。

ただ、誤解のないように言うと、僕の感覚は「AIは何でもできる」ではありません。「AIはプログラムを作る能力が人間以上だ」ということです。スーパープログラマーが横にいて、その人に指示を出している感覚です。

だからテストも、「テストをやって」とは頼みません。「これこれこういうテストをするプログラムを作って」と頼みます。さらに、「それを検証するプログラムを書いて」と頼みます。

この意識の違いが、結構みそだと思っています。僕はAIエージェント(指示を受けて自分で作業を進めるAI)が出てきたときから、ずっとこの感覚で使っています。

そして、その検証結果を確認するのは僕です。

テストも、AIに「プログラムを作って」と頼む
テストも、AIに「プログラムを作って」と頼む

実装もテストも、僕が自分でやる以上のことをAIはやってくれます。実装の質も量も、テストの質も量も、僕一人でやる以上です。

30年の経験とAIの掛け算

量的にも質的にも、AIのおかげで良いことばかりです。これは、毎日AIを使っていることと、エンジニア経験30年の掛け算ができているからだと思います。

正直に言うと、最近は自分でも驚くほど「何でもできそうだ」と感じています。AIが何でもできるのではなく、AIを活用すれば僕が何でもできる、という感覚です。

以前からクライアントさんには「時間とお金があれば何でもできますよ」と言ってきました。今は時間もお金もそれほどかからなくなったので、「時間とお金をそれほどかけずに、何でもできますよ」と言えるようになりました。

ただ、作る手間がかからなくなった分、価格をそのまま下げてしまっていいのか。会社としてはそこが悩ましいところで、難しい時代だと感じています。

それでもAIは「道具」

とはいえ、AIは道具です。今のところ、それ以上のものではないと思っています。

普通のチャット以外で言えば、AIは「プログラムを少ないコストで開発してくれる道具」です。そして、この道具がないと僕はもう困ります。

もちろん、AIなしでも開発はできます。でも、プログラムの精度も速さも上がった今、元の開発には戻れません。

ひらめいたアイデアをすぐ形にして、すぐ試せる。単純に、楽しいです。

書くのはAI、設計するのは人

プログラムを書く速度と精度に関しては、AIは本当に僕の何倍もすごいと思います。

でも、設計や「どうやるか」というやり方は、こちらがきちんとハンドリングしないと、変な方向に向かうことがあります。AIのアイデアも平凡で、いい発想はなかなか出てきません。

設計というエンジニアリングの部分は、経験と知識の量があるかないかで全然違います。いろいろなものを見てきて、それは痛感しています。

僕が30年のエンジニアリングで経験してきた失敗や成功を、AIが全部覚えていたら、同じことができるのかもしれません。でも、それは難しいでしょう。

設計は僕が、書くのはAIが
設計は僕が、書くのはAIが

だから僕にとってのAIは、プログラミングでは僕よりずっと頼りになる、いい相棒です。設計は僕が、書くのはAIが。そうやって役割を分けて、毎日一緒に仕事をしています。

エンジニアの仕事はなくならない

では、AIで僕らの仕事はなくなるのか。それには疑問を持っています。確かに単価は下がると思います。でも、なくなるとは思いません。

僕は毎日AIを使っているので、少し先を歩いているだけだと思います。自分では意識していないコツもあるのかもしれませんが、「僕はこうやっています」とお伝えすれば、ある程度はどなたでもできるようになると思います。

それでも、まだまだエンジニアは必要です。

クライアントさん、一緒に働いてくれている仲間、いつも本当にありがとうございます。そして、最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

現場からは以上です。

作った後の改修がどれだけ楽になったかは、こちらに書きました。→ ちゃんと作るのは大変、作った後は寂しいほど楽。AIで内製したシステムの「その後」

業務システムやAI活用でお悩みなら。SaaSに業務を合わせるのではなく、 その会社の業務そのものを設計し直します。

無料相談を申し込む

まず中身を知りたい方は現場開発プラン(FDE)現場アプリ内製化ブートキャンプ導入事例:システムパック株式会社・豊前市のパン屋「ぱんのこ」

AI活用Claude Codeテスト設計エンジニアこれからの仕事
Author
遠藤 友治

フォワード フィールド テクノロジーズ株式会社 代表取締役。 1996年から業務システムの保守・開発に従事。官公庁・保険・製造業を経て、2007年からコンサルティング会社の開発部門を統括。2026年にFFTを創業。一般社団法人日本生成AI推進協会 技術部長。

著者の経歴・開発実績を見る
← コラム一覧へ
どちらのプランか
決めきれなくても大丈夫です
まず30分、話す