社員が「AIでアプリを作れます」と言ったら。経営者が考えるべき「作ったあと」のこと
最近、思うことがあります。
開発の経験がない人でも、AIで業務アプリを作ることは、本当に簡単になりました。たとえばClaude Codeなら、自分がやっている業務を自動化するアプリを、言えばかなりのところまで作ってくれます。
ただ、僕が教えればできるのですが、誰にも教わらずに独学で、となると、僕が見てきた限りでは、まだなかなか難しいと感じています。
この記事は、動画でもお話ししています
独学で作ったアプリに、起きること
独学で作る人は、AIがどういうところが得意で、どういうところが苦手なのか、その特性をまだ知りません。だから、作ったものにいろいろな差が出てきます。
- 出力が安定しない。 同じことをしても、毎回結果が少しずつ違う
- 自分は使えるけど、他の人は使えない。 作った本人の頭の中にしか、使い方がない
- 再現性がない。 同じものをもう一度作れない、直せない
- セキュリティの穴が、かなり空いている。 本人は気づいていない
- やり方そのものが、少し違う。 動いてはいるけど、その作り方だと後で困る
ブートキャンプで僕が教えると、かなりよくできたものになって、エンジニアがいなくても回るくらいになります。でも、AIのこともエンジニアリングのことも誰にも教わらずに作ると、時間がかかるし、できたものもレベルが低く、あまり使えないものになりがちです。
時間の差と、品質の差
いろいろAIに聞きながら作れば、作れることは作れます。でも、それだと手戻りが増えて、確実に時間がかかります。
時間の差、そして出来上がりの品質の差。ここには、ものすごく大きな差があると思います。
作らなくていいものまで、作ってしまう
もう一つ、皆さんがやりがちなのが、すでに世の中にあるものを作ろうとしてしまうことです。
作れるようになると、何でも作りたくなります。でも、コストと時間、それから引き継ぎや、使い方を教えること、サポートまで含めて比べると、SaaSを使ったほうがいい場面も、結構あります。何でも作ればいい、というものではありません。
作ってしまったら、その後の責任を取らないといけないからです。
作れる人が、社内に一人しかいない
中小企業だと、AIでアプリを作れる人は、おそらく社内に一人くらいだと思います。
その人が誰の助けも借りずに作ると、どうしても、使う人のことを考えた「いいもの」ではなく、自分がいいと思うものを作ってしまいます。
しかも、自分の仕事をしながら、いろいろ聞かれる。引き継ぎもしないといけない。使い方のサポートもする。改善の要望も聞く。これを一人で全部やるのは、正直、面倒になってくると思います。限界があります。
途中で投げ出してしまうこともあるかもしれません。その人が辞めてしまったら、アプリはもう全く使われなくなるのが目に見えています。たくさん作ったアプリを、その会社はどうするのか。そこに、問題がたくさんあると僕は思っています。
やる気は、すごくいい。だから補助を
誤解してほしくないのですが、自分で作ろうというやる気は、すごくいいことだと思っています。
だからこそ、その補助はプロに任せたほうがいい。アイデアだけ思いついて、作るのはプロに任せる、というやり方でもいいと思います。
ちゃんと学びながら、伴走もしてもらいながら作っていく。そうやって進めるなら、社員が自分でアプリを作るのは、すごくいいことです。
FDE(現場に入って、業務の整理から開発・運用まで担当するエンジニア)という仕事は、これからの時代、より必要とされる仕事になると思っています。
経営者に、考えてほしいこと
社員さんが「私、AIでアプリを作れます」と言ったとします。
作れるのは分かった。では、作ったあとはどうするのか。誰が直して、誰が教えて、その人がいなくなったらどうするのか。そこを考えてあげるのが、経営者の役割だと思います。
30年この仕事を続けてきて思うのは、作ること自体は、本当に簡単だということです。大事なのは、作ったあと。僕はそう思っていますし、実際その通りだと思います。
現場からは、以上です。
社員さんが自分で作れるようになるところから、作ったあとの運用まで、御社の実務で一緒にやるのがブートキャンプです。作るところをまるごと任せたい場合は、現場開発プラン(FDE)もあります。
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フォワード フィールド テクノロジーズ株式会社 代表取締役。 1996年から業務システムの保守・開発に従事。官公庁・保険・製造業を経て、2007年からコンサルティング会社の開発部門を統括。2026年にFFTを創業。一般社団法人日本生成AI推進協会 技術部長。
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